牛肉の自由化以降、畜産を取り巻く環境はO−157、家畜排泄物法、口蹄疫そしてBSEなどマイナス要因が増加しています。こうした状況の下、経営収支の悪化により畜産農家の廃業は後を絶たず、岡山県の牛の飼養頭数は依然減少しています。一方で経営存続を希望する酪農家においては飼養頭数の増頭、個体乳量の向上によって対応してきました。しかし飛躍的に個体乳量が向上する反面、繁殖成績の低下、栄養障害に起因した死廃事故の増加という弊害をもたらしています。
このことは、現状では生産性の向上と牛の健康とが調和した飼養管理が確立していないことの表れです。酪農経営者、現場獣医師は日々直面する課題を解決し、新たな活路を模索しています。
生産獣医療支援センターではこれらの諸問題を抱える酪農家をサポートするため、「乳牛の健康診断」を実施しています。これは要請を受けた酪農家の牛群の血液検査、検定成績、給与飼料を分析し、農家経営への改善策を提供するものです。特に生産性の向上と乳牛の健康を両立させるために、農家への適切な情報提供ができるように今後とも研鑽を重ねていきます。
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