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魅力を伝えたい 直売所で売り切れる「是里ごぼう」

レシピ開発加工品販売

(令和4年5月1週号)


写真1
「多くの人に是里の魅力を知ってほしい」と話す田村さん(中央)、木下さん(右)、森田さん

 赤磐市是里(これさと)に新規就農者として移住し、ブドウの栽培を始めた3人が、是里地域で昔から栽培される「是里ごぼう」に着目した。田村敏浩(たむらとしひろ)さん(49)、木下雅晴(きのしたまさはる)さん(39)、森田博昭(もりたひろあき)さん(41)は「栽培・販売を通じて是里のブランド力を高め、ブドウなどの農産物、『是里むら』の魅力を伝えたい」と意気込む。
 標高が約300㍍の同地域は、昼夜の寒暖差で高糖度のものが栽培できるとして、ブドウの産地として知られる。
 是里ごぼうは生産量の少なさからブドウより知名度は低い。値段は一般的なゴボウより高価だが、太く肉厚で、濃厚な土の香りが特徴。柔らかく、味が濃く、さまざまな料理にあう。主な出荷先の地元の直売所ではすぐに売り切れるほど人気だという。
 同地域の土壌は硬い赤土で、栽培は重労働になる。収穫は油圧ショベルで約1㍍の溝を作り、手作業で掘り出す。長いゴボウを栽培するため、植え付け前に一度掘り、土を軟らかくしておく必要がある。
 高齢化や重労働のため、同地域の生産者は減少。現状を知った田村さんは「このまま是里の名産品を廃れさせるのはもったいない」と、新規就農者の仲間を誘い、地元の生産者に教わりながら栽培を始めた。
 春播きは3月頃に植え付け、9月から冬にかけて収穫。ブドウの収穫が終わってから作業できることも、栽培を後押しした要因だという。

知名度向上に注力

 現在は市の協力を得ながら是里ごぼうの知名度向上に力を注いでいる。近隣の大学と協力してレシピを開発したほか、フランス料理店と共同で「ごぼうスープ」を販売、学校給食への提供、都市部の住民を対象とした「ごぼう掘り体験」などに取り組む。
 田村さんらは「是里ごぼうの知名度を上げ、ブドウを含めた農作物を今以上にブランド化して、是里むらの魅力を伝えていきたい。今後も市と協力しながら生産・発信していく」と話す。

写真2
スープはフランス料理店で提供するほかオンラインでも販売

(大内)