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糖度上げて付加価値を追求

先進技術取り入れ生産体制確立

(平成28年1月1週号)


tomato先進的な技術を取り入れ、約50品種のトマトを栽培している鏡野町の井上雄一郎さん(39)。1999年の就農後、当時県内最大規模のトマト経営や最新の技術、品種を導入し、トマト農家の先駆けとなって活躍している。井上さんは後を継ぐにあたり、「父親とは違うことをやりたいという思いがあった」と話す。もともとは大玉トマト経営で出荷時期をずらし、高単価を目指していた。しかし、トマトが年中出荷されるようになってきたため、どう付加価値を付けていくかということを考えた。小ロッドから出荷でき、試作をするにあたり始めやすいミニトマトを導入。また、水耕栽培による高糖度のフルーツトマトの栽培に挑戦し、試行錯誤の末、自分たちで技術をつくり上げていった。現在では48㌃の面積に50品種を栽培しており、いろいろな形、色を取り入れたさまざまなトマトの生産体制を築いている。井上さんは「味は当然重要だが、見た目もお客さんに喜んでいただきたい」と話し、海外の品種や新品種にも積極的に取り組んでいる。「作りにくい品種でもやり方次第だ」と話し、それぞれの品種にあったやり方で栽培している。

 

ゼリー、ジュース6次化も積極的に

しかし、そういった経営には当然リスクもある。気候や生理障害の問題には悩まされ、規格外品が大量に出ることもあった。そういった管理リスクのため、トマトゼリーやトマトジュースの開発など、6次産業化にも積極的に取り組み、商品化されたものは地域の特産品として定着。大きな成果を出している。「これからはもっと『健康』を打ち出していきたい」と話す井上さん。「鏡野町健康づくり条例を受け、トマトの健康効果、また、地域の産業として農業の幅を広げていきたい」と話す。