農業共済新聞
野菜をマカロンに
6次化で売り上げ伸ばす
(令和4年4月4週号)
「大量生産が今後の課題。生産環境をさらに整備したい」と梶岡さん
「経営規模の拡大ではなく、規格外品の活用で売り上げを伸ばすため6次化を決めた」と話すのは、瀬戸内市で多品目の野菜を栽培する「株式会社いぶき」代表取締役の梶岡洋佑(かじおかようすけ)さん(29)。大学在学中の2013年に起業。約3・5㌶の規模で年間40種類以上の作物を栽培する。 6次産業化に当たっては「野菜スイーツ」の生産を検討。一般的な野菜使用のスイーツと差別化を図るため、アレルゲンフリーにすることを決めた。 「パティシエの知人に詳細を言わず相談したとき、味と色味に野菜が使え、多品目栽培を生かせるマカロンを勧められた。通常は卵白を使うスイーツと知らずに決めたが、知っていたらマカロンは作らなかったと思う」 特定原材料を使わず、卵白の代用として大豆の煮汁を使う。メレンゲに比べ気泡が割れやすく、何度も失敗を重ねながら製品化し、現在は主にオンラインで販売する。 21年は岡山県商工会連合会の「晴れのめぐみ岡山ブランド」でベストセレクション賞を受賞。「今後は生産数を増やし、さらなる売り上げ向上につなげたい」と意欲を見せる。
(野上)